子供の頃はヒーローになりたかった。時間が経ったらいろいろわかりますね。こんなしょうがない大人になりました。どうにも、ごちゃまぜなかんじで勝手に人生過ごしますわ。 とにかく回収されるまでが生涯です。骨の残る破棄物編集所へようこそ。
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「トトー帰ろ」
「うん。でも今日は寄り道はせんよ」
「はは、せんよ。今日はせん」
「そうと? 今日も行くかと思っとった」
「うん、行かんよ。そういえば、これ借りとったけん、返しとくね」
「あーうん。ノート」
「ありがとね」
「うん、いいよ。あ、うちも国語辞典かえさないかんかったのに、教室置いてきた」
「うん、いいよ。もういっこあるけん、やる」
「え、ちゃんと返すよ。そんなら、明日」
「でも重いやん?」
「うん、重いよ。でもちゃんと返さんと」
「うん…。そうやね……そいなら来年に持ってきてよ」
「来年?なんそれ、じゃあ明日持って行くよ」
「うん、でも明日は無理でしょ」
「え、なんで?届けに行くけんいいやろ」
「うん。でも来年でいいよ」
「え、やけんなんなん来年ってー、ちょー遅いやろー」
「はは、でも来年、また会えたらいいやん?」
「会えたら? 来年、なんかあったっけ?」
「来年、受験やろ?」
「うん、受験やけど…別に会うやん、明日も学校やし」
「うん、でもうちちがうし」
「え、なんて?」
「え、なにが?」
「えっ? いま、なんて?」
「あぁ、うち学校じゃないけん」
「…蓮ちゃん何言っとーと?」
「うん、引っ越すけんうちは行かんし」
「は、なんそれ?」
「ごめんね」
「…なんそれ、なんなん、それ…」
「ごめんね、でもうちらも1年とかそんくらいのあとちょっとで卒業やろ?そしたら、たぶんちがう学校行っとったやったろうけんね」
「なんそれ」
「うん、やけんトトーは東京の私立高校、お試し受験するって言いよったやろ?やけん、そんときは会えるやん?」
「なんそれ……うそつきやね」
「ん? なんて?」
「ううん。なんも」
「なんて? 気になるやん」
「…蓮ちゃんが悪いと思ったけん」
「思ったけん?」
「好かん」
「……好かんくなった?」
「好かん。蓮ちゃんが悪いけん」
「うちが悪いけん?…ふうん、そうったい」
「だって、そうやろ」
「そうかいな」
「蓮ちゃん勝手やもん」
「え、勝手かいな?」
「勝手やん、わからんことわからんとかこげんなるかもしれんとかなんも言わんで、なんでん勝手にすすめるやろ」
「え、そうかいな?」
「そいで、なんも考えとらんやん」
「え、うちそげん何も考えとらんとかいな?」
「考えとらんやん!」
「トトーそげん怒らんくても…」
「怒るやろ、あたりまえやんそんなん、だれでも怒るやろ」
「ごめんね」
「いややもん」
「……ごめんね」
「許さんもん」
「トトー、ごめんね。やけん泣かんでよ」
「うそつきやけん。蓮ちゃんがうそつきやけん」
「うん。やけんごめんね」
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