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子供の頃はヒーローになりたかった。時間が経ったらいろいろわかりますね。こんなしょうがない大人になりました。どうにも、ごちゃまぜなかんじで勝手に人生過ごしますわ。 とにかく回収されるまでが生涯です。骨の残る破棄物編集所へようこそ。

たゆたうダストボックスの燃える日

   

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3月11日

東北地方太平洋沖地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害を受けられました皆様に心からお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

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自分の誕生日を祝おう!全力で君の誕生日も祝ってやるわ

おめでとう、僕はね明日が誕生日なんですけれど、まさか自分が誕生日を祝うことになるなんて思いもよらなかったから、少々惑い気味なわけなんです。

3月11日、2011ねんは金曜日で…この日に誕生日を迎えた君
おめでとう!世界中の3月11日うまれさんおめでとう

自分 誕生日 お祝い ハッピーバースデー なキーワードで検索でもかけちまったあるいみ同胞のみなさまにおかれましては、おめでとう、というわけで、おめでとう!きみ

いたらね、なにかをわかちあえた、としたらうれしいかぎりでございます、よかったね!おめでとう!

そいで、だれか僕のことも祝ってくだすったらうれしいのになぁーー!? 

憧憬と絶望のあいだで俯く

好きな奴には、好きな死んだ子がいた。
対面したこともない透明人間が、あいつにだけは意味のある存在だとわかったら、無が襲ってきた。
愛を証明できない。あいつの愛がそ知らぬ方へ向けられたまま、およそ一生を占領されてしまうだろう予感に自身の感受性が凍結した。私は生きられない。私の恋は、愛は一生生きられない。感情を排除したままでお前は生きるのだと、見えない運命のつぶやきに死刑宣告を受け渡された。私は死んでないのに。やんわりやわらかいこの気持ちはどこにもいけない。ぐにゃぐにゃに踏みつけられたみたいに凝り固まって息絶える、確信がみえる。あいつは、ただだんまりと、心の隅であの子を想っているのか。私と笑っているいっとうに美しい、その束の間の一瞬でさえも。

小話 下校


「トトー帰ろ」
「うん。でも今日は寄り道はせんよ」
「はは、せんよ。今日はせん」
「そうと? 今日も行くかと思っとった」
「うん、行かんよ。そういえば、これ借りとったけん、返しとくね」
「あーうん。ノート」
「ありがとね」
「うん、いいよ。あ、うちも国語辞典かえさないかんかったのに、教室置いてきた」
「うん、いいよ。もういっこあるけん、やる」
「え、ちゃんと返すよ。そんなら、明日」
「でも重いやん?」
「うん、重いよ。でもちゃんと返さんと」
「うん…。そうやね……そいなら来年に持ってきてよ」
「来年?なんそれ、じゃあ明日持って行くよ」
「うん、でも明日は無理でしょ」
「え、なんで?届けに行くけんいいやろ」
「うん。でも来年でいいよ」
「え、やけんなんなん来年ってー、ちょー遅いやろー」
「はは、でも来年、また会えたらいいやん?」
「会えたら? 来年、なんかあったっけ?」
「来年、受験やろ?」
「うん、受験やけど…別に会うやん、明日も学校やし」
「うん、でもうちちがうし」
「え、なんて?」
「え、なにが?」
「えっ? いま、なんて?」
「あぁ、うち学校じゃないけん」
「…蓮ちゃん何言っとーと?」
「うん、引っ越すけんうちは行かんし」
「は、なんそれ?」
「ごめんね」

「…なんそれ、なんなん、それ…」
「ごめんね、でもうちらも1年とかそんくらいのあとちょっとで卒業やろ?そしたら、たぶんちがう学校行っとったやったろうけんね」
「なんそれ」
「うん、やけんトトーは東京の私立高校、お試し受験するって言いよったやろ?やけん、そんときは会えるやん?」
「なんそれ……うそつきやね」
「ん? なんて?」
「ううん。なんも」
「なんて? 気になるやん」
「…蓮ちゃんが悪いと思ったけん」
「思ったけん?」
「好かん」
「……好かんくなった?」
「好かん。蓮ちゃんが悪いけん」
「うちが悪いけん?…ふうん、そうったい」
「だって、そうやろ」
「そうかいな」
「蓮ちゃん勝手やもん」
「え、勝手かいな?」
「勝手やん、わからんことわからんとかこげんなるかもしれんとかなんも言わんで、なんでん勝手にすすめるやろ」
「え、そうかいな?」
「そいで、なんも考えとらんやん」
「え、うちそげん何も考えとらんとかいな?」
「考えとらんやん!」
「トトーそげん怒らんくても…」
「怒るやろ、あたりまえやんそんなん、だれでも怒るやろ」

「ごめんね」
「いややもん」
「……ごめんね」
「許さんもん」

「トトー、ごめんね。やけん泣かんでよ」
「うそつきやけん。蓮ちゃんがうそつきやけん」

「うん。やけんごめんね」


 

小話 模擬 いーいーいーか


ヘイガーはときたま実存主義的に現実逃避を実行したくなる。ヘイガーは「ウエコー」までオンボロのミニのマイカーを走らせる。タイヤの空気が抜け始めていて、座席ごとをゴトゴト揺さぶられながらも入り口の発券機から吐き出された薄黄色の駐車券を受け取った途端むしゃむしゃと唾液で湿らせて胃にしまいこんだ。

まず最初にベビーカーに意識の向かない若い母親共をブツブツ陰湿に罵りながら、よそ見したママたちの目を盗んで眠りかけの赤ん坊の頬をぱちんと叩いて逃げる。本屋の入り口を急ぎ足で潜り抜けて、この国の崩壊についてと搾取を娯楽とする経営者たちの贅沢三昧とを特集した本を2冊買い、となりのロイホまで走って行ってウェイトレスにそれらの書籍を投げつける。しねと心の中で唱えるのを忘れない。みんな死ね。ヘイガーは100の自分の顔を欲しがっていて、そのときはスキンヘッドのパンクな風貌だったのを一変、店から出たすぐのトイレで気弱な病弱少年がやっと立っているみたいな頼りないヘロヘロの襟口のカジュアルなスタイルに着替え、ボサボサの黒髪ウィッグを被ってまるっきりの別人としてウエコーとさよならする。

オンボロのミニは置き去りでみんながみんな困ればいい。ヘイガーは想像してそれでベットにうつぶせている。全てヘイガーの可哀想な脳みそが作り出した空想だ。実際にはこんなこと起こりっこない。ヘイガーは悲しくなる。こんなに神経質で腰抜けで、他人が大嫌いな自分の存在が世界の中での最大のマイナスなんじゃないか?

清く正しく生きなさいと教育されてきて、それでヘイガーは酷いパラドックスに毎晩うなされる。人を殺したいほど憎んだことまでなしにしろというのなら、溜め込んでお前が死ねと言うのか? まさにそうだろうが、クソが。とヘイガーは誰もいない真っ暗で狭苦しいワンルームの室内に独り言をつぶやく。

「そこにいるのか」

何も見えやしない部屋の中の生ぬるい空気の中で息づく、見たこともない位美しい毛並みを持つ「のら(野良)」の魂がそこに浮遊しているからしょうがなしに相手してやる。

「なにもないだろ、たべものなんてよ」

サカナの固細胞の片鱗を探している見えるはずのない猫の幽霊に向かってひとりでに呼びかけている。
俺も猫ならよかった。ヘイガーは思う。空虚の生命とろくでもないこのねっころがった無駄な生命のために思う。もしも俺がお前だったなら、誰にも見えなくていいから、たまたま通りがかった家先でねっころがったどうしようもねえ酔狂人がどうしようもねえ透明生物のヤツらと会話をしようとしてる場面に立ち会えたら、そしたら、そしたらそれでよかったのに。

ヘイガーは舌を噛み切るために根元をきつくかみ締めたが許容外の圧迫をかけられなくて死にそこなう。猫の気配が消えた。気がした。

一人ぼっちで、あしたかあさってか、リビングの隅のほうで包丁を首につきたてて血だるまで倒れている自分の姿を思い浮かべる。やっぱり、ベランダから飛び降りてしまおうか。ガラガラ締め切った雨戸でも久しぶりに開けてみるかと考えていると、茶色のくまがやってきてこういった。

「バカかお前」

「バカって何だよ」ヘイガーはムカムカした。

「バカかお前、いまねんねしてるじゃねぇかよ。包丁だってベランダだって結局おねんねするんだ。なにも変わらねーよ」

ヘイガーはくまが公衆の面前の鼻先に自分の飛び散った肉片を見せ付けている光景が思い浮かんでいらいらしたので黙ってベッドの中でねんねした。

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ぬし

ふじとう(moccomoco)
音楽と芸術と歌といろいろを愛する22さいの人間です。さいきん内面の統一をはかるいみで別名でツイッターやってみたりした。ここはとにかく燃えるごみ出しの日に出しきれなかった愛着あるごみくずたちを丸めてポイするより救いのあることは何かって考えて、それでただならべた

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