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子供の頃はヒーローになりたかった。時間が経ったらいろいろわかりますね。こんなしょうがない大人になりました。どうにも、ごちゃまぜなかんじで勝手に人生過ごしますわ。 とにかく回収されるまでが生涯です。骨の残る破棄物編集所へようこそ。

たゆたうダストボックスの燃える日

   

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中途小説? とある一週間「平日に」


*

(トオル)

先輩に気合を入れろと叱られて、オスと叫んだ。顧問がいいかお前ら、青春は一度きりだからなと怒鳴った。みんな笑っていたのに、自分はとても笑う気にはなれなかった。
*
うちに帰ったら親戚の子、つまりいとこにあたる中学生のようたが来ていた。ようたは今日もやっぱりボウズだった。兄ちゃん!とよんだので、元気か?と笑ったら今日勝った試合をはしゃいで報告してくれた。ようたはやっぱりきょうもとても元気だった。
 

(月)

廊下を歩いていたら、おめでとう!と声をかけられたのに、相手の顔に微塵も見覚えがなかった。
学校に居る間はいつもそわそわした。となりの組の女の子が自分のところにきてほしいところがあるといったのでついていったら、好きですといれた。じぶんはとても戸惑ったけれど、あの子のことを想うと胸が苦しくなったのでごめんなさいといって部活に行った。ランニング中に転んだので、すこしだけ泣きそうになってしまった。
*



(さつき)

悲劇の主人公に自分を重ねてみる。
声に出して読むとその台詞がまるで自分の本心から出た言葉みたいで無性に悲しくなって、それなのにこの妙に飾りきったきれいな言葉の連立のせいで、ちょっと笑えてしまうのも事実。
もうすこしで本番の舞台。発表会。あの子はみに来てくれるだろうか。だれよりも、大事にしたい人間がわたしにいることをみんなはしらない。わたしも知られたいなんて思わない。あの子の幸せを片隅で考えながら、わたしの幸せとの均衡の間を思案していまにも泣き出しそうになっている。

*
(火)
電気を消さないと、と考えたときにちょうど妹がもうでんきけしてよね、と突っかかってくる。
最近特にイラついているのは受験生ということを抜きにしても目に余る気がする。
それとも思春期だから反抗心が強いのだろうか。蓄積されていくと少しだけ憎憎しく思う。だけれど素直なその態度がとてもうらやましく思えることがあって、だからたまにそのポニーテールを引っ張ってやった。




(ようた)

兄ちゃんの机のなかをみちゃった。変な黒い服を着た女の人が写ってて、にいちゃんはきっとこの人がすきなんだろうと思った。ちょっと意地悪なきもちになったので写真を破って捨ててやろうかと考えたけど、それはやめにして、にいちゃんのだいじな部活道具を蹴った。

*
(水)
親友のまことに年上の好きな人ができたらしい。よかったなといったら、うんといった。どんなひとかきいたら教えないといったので、なんでだといったら、へんだからといった。へんって、変なの?ってきいたら、うんといって、だけど、変だからそういうところがすきといった。変だからか、と考えて叶わない恋心を思い出したので苦笑いして開き直ってみた。
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ふじとう(moccomoco)
音楽と芸術と歌といろいろを愛する22さいの人間です。さいきん内面の統一をはかるいみで別名でツイッターやってみたりした。ここはとにかく燃えるごみ出しの日に出しきれなかった愛着あるごみくずたちを丸めてポイするより救いのあることは何かって考えて、それでただならべた

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