忍者ブログ

子供の頃はヒーローになりたかった。時間が経ったらいろいろわかりますね。こんなしょうがない大人になりました。どうにも、ごちゃまぜなかんじで勝手に人生過ごしますわ。 とにかく回収されるまでが生涯です。骨の残る破棄物編集所へようこそ。

たゆたうダストボックスの燃える日

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

5分創作 小説 疎遠になった幼馴染

落下した本の下敷きになったらなぁ

そんなふうに考えた。ふるい時代の気流を呼吸した古紙のやまやまがつみかさなっている放課後の図書室が沈黙を守っている。そこに、じぶんとあのことが、ふたりだけでひっそり生息していて、この世のやるせない感傷をめいっぱいつめこんでラッピングしてあげたような、このつつましい空間のなかは居心地がいいとは言い難い。

落下した本の下敷きになったらなぁ。

あのこは笑わない。カウンターに肘をついて、山吹色の背表紙をしなやかな指ゆびが支えたまま、ひんやり尖った視線で誌面を睨みつけている。

落下した本の下敷きになれたらなぁ。

そうすれば、きっとたすけてくれる。
あのこがほんとうはやさしいことを、じぶんはよく知っているから。
PR

COMMENT

Name
Title
Mail(非公開)
URL
Color
Emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Comment
Pass   コメント編集に必要です
 管理人のみ閲覧

TRACKBACK

Trackback URL:

カレンダー

11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

フリーエリア

ぬし

ふじとう(moccomoco)
音楽と芸術と歌といろいろを愛する22さいの人間です。さいきん内面の統一をはかるいみで別名でツイッターやってみたりした。ここはとにかく燃えるごみ出しの日に出しきれなかった愛着あるごみくずたちを丸めてポイするより救いのあることは何かって考えて、それでただならべた

バーコード

ブログ内検索

<<5分創作 今だけは  | HOME |  平らな成りをしたこども① (アンビバレンツ前身)>>
Copyright ©  -- たゆたうダストボックスの燃える日 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Melonenmann / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]