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子供の頃はヒーローになりたかった。時間が経ったらいろいろわかりますね。こんなしょうがない大人になりました。どうにも、ごちゃまぜなかんじで勝手に人生過ごしますわ。 とにかく回収されるまでが生涯です。骨の残る破棄物編集所へようこそ。

たゆたうダストボックスの燃える日

   

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空理空論 音楽神聖かまってちゃん

の子は、いつもひとりぼっちでした。友だちはいませんでした。
本当の友達はギターだけ。

歳を重ねるにつれて、ピアノ、キーボード、マイク、音響スピーカー、どんどん顔のない友達は増えていきましたが、生身の人間はどんどんどんどん減っていきました。

それでもひとりぼっちのの子は、ひとりきりで叫び続けました。ときには街中で奇怪な視線に睨まれても、警察に喧嘩を売って返り討ちにあったこともありましたが、の子はめげずに叫び続けました。己の魂の叫びを。

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ぼくんち

ぼくは、きょうおかあさんがきらいだとおもいました。

おねえちゃんはぼくがしゅくだいができないと、あたまをたたきます。きょう4回たたきました。そしたら、あたまがじんじんしてぼくはないてしまいました。
今日は、おねえちゃんのおとうさんはお外に行っているので、おねえちゃんをおこってくれなくいやで、おかあさんはずっとおうちにいなくて、ぼくはさみしいです。

おねえちゃんのおとうさんが、きのうないていました。おかあさんあさしかかえってこなくて、またでかけていきました。ぼくはおはようしかしゃべっていなくて、またなきたくなりました。

お外でにわとりのカーぼうが、ないています。かーぼうもさみしいです。おかあさんずっといないから、かーぼうもなきます。だからあしたは、おかあさんかえってくるように雨になるといいとおもいます。おうちがとってもしずかで、ぼくが、カーぼうのなきまねをしていると、となりのうえのさんがおうちにきてくれました。5じまでいっしょにいてくれて、おかあさんといっしょをいっしょにみました。てんきよほうをみたらあしたははれでした。カーぼうがなかないといいなとぼくはおもいます。

小話 西洋かぶれ「交流」

彼女は嘘つきさ、
だってね、チェスをしないかい? と誘ったら

「今日は妹たちを外に連れて行かなくちゃいけないのよ、なにせおばさんが来るもんだから手が空いてるのは私だけなの、それで母さんから今しがた連絡が入って、」

こうやって何かのせいでやむおえず僕とチェスができないというんだ
しかしぼくには『あんたなんかとチェスなんかはしない』ってあからさまに吐き捨てられるよりダメージを受けたね

(というのも、このところ、このいいわけ塗りかべが彼女のまわりをうろうろと横行しすぎて、僕にはなにがなんだかわけがわからなくなって疲れてきちまったというのがほんとのところでさ、とりわけいつもはあっけらかんとなんでもすいすい決めちまって電車のレールもびっくりのスピードでものごとが進んでって、それはそれで時たま僕のほうが疲れちまうくらいなんだけれど、今日の様子は特におかしいかんじがしたんだ、だから嘘つきなんてことでも言ってすねてみたくなったんだな)

彼女はしじゅうおろおろしていた。僕は制止をかけて、彼女に確認をとったんだ。

「ねぇ、まってよ、それってどういうことだい?今から僕の両親が来るんだ、それは君も知っているだろう? なにせ1週間も前に伝えてあるんだからね」

「えぇ、でもおばさんは子供がきらいなのよ、同じ部屋にいるのが気に食わないもんだから、あの子達を屋根裏に閉じ込めるのよ。あんなに暗くて汚くて寂しい場所にひとりおいてけぼりだなんてあんまりよ」

「じゃあ、わかった。チェスはやめにして、その子たちを家に連れて来て、みんなで遊べばいい、それなら構わないだろう?」

「そんな、でも、そんなのだめよ、おとうさまやおかあさまに迷惑がかかるわ」

「迷惑なもんか、もうじき僕らは家族になるんだ、妹君らのことだって誰も文句なんか言いやしない。みんな子供は好きだからね。君はなにも気にしなくていい」

「えぇ、そうね…でも、やっぱり外のほうがお天気がいいじゃない?だから私と妹たちとで、」

「ねぇ、僕は前々から言いたかったんだけれど、最近何かあったのかい? 何をそんなに遠慮しているのだろう?」

彼女は微笑もうとしたが、それには失敗し、ぎこちなく口元を引き伸ばしたまま何か言葉を探しているようだった。

「僕はたよりないのかな。それとも、僕がなにか君を不快にさせるようなことをしたのだろうか?」

「ちがうのよ、そうじゃないのよ、そういうことではなくて…」

その後直ぐに、妹君らが彼女のお母さんに送られてきて、そのうちに僕の両親も到着した。
彼女は、あいさつと少々の談笑を交わしたのちに、外に出て行って、それから、1時間ばかしして戻ってきた。
その後は皆でわいわいさわいだけれど、僕はまだ、彼女に尋ねなければならないことは山ほどあったけれど、どんなふうに問いただせばいいのか僕は検討もつかずにいたのだった。


小話 少女の現実浮遊「絆」

「お前はいいね」

毛並みのふさふさした心地に意識をたゆたわせてつぶやく。手触りの先の静止物は目を閉じたまま呼吸する気配さえなく、そこに佇んでいる。傍らの懐中時計がこつこつたんたんと時を消費していることを示唆する。
陽気な朝の光彩が窓の外から時空を飛び越えてもれだしてくる。
少女はきゅっと唇を引き結んで黙り込んだままのテディベアの頭部にそろりと手のひらをすべらせると、この部屋ありったけの衣服を詰め込んだボストンバッグを抱え込んで立ち上がった。
さようなら。

外界への逃亡をまるで歓迎するかのように閉じていた扉のドアノブが容易に回る。何者かに名を呼ばれた、そんな気がして、一度だけ肩越しに身を翻すとうたた寝でもしているらしい毛むくじゃらの生命さえ拒んだくまが、たおやかに微笑み頓挫していただけだった。

さよなら。
口にはせず、少女はその部屋をあとにした。
残された机の上には、かつての100万光年先とをつなぐ別世界の入り口の孤独が、中空を漂うばかりであった。

小話 明治人「佐可」旧書ジャポニズム


死と眠りの堺に違いなどないだろうに、なぜ僕は毎日目を覚ますのであろう。

佐可は、そんな風に嘆いた。夢と現の境界が曖昧なうちに布団から起き出してしまわないと、三度目の睡魔に襲われてしまう。一寸ばかり開いた障子の隙間から光が漏れている。日はとうに高い位置にあった。

どうだ君、正しさを知りたくはないかい。

それから、いいえ、と首をふって疑念を散らした。

嫌だ、いやだ。おやめなさい。陰鬱になる。
夢を見るのはやめなさい。悪だらけだ。世界はまわるというけれど、比例せず僕の意識外の時間は止まっているよ。巻き戻りもしない。こうも空間の変化を実感し得ないのもなんだ、
だって君、涙はしょっぱいというだろう。塩が辛いのに理由がない。
理屈をごねても何も出はしないだろう。なに、気分が乗らないだけさ、
世に出回る基準値に僕の意識がたまたまないだけなのだ。それだから繕うのはおやめなさい。

伏松は媚びることなくこう告げた。
「死ぬ理由は何かねぇ、己の倫理観をもって判決を下せぬなら僕らが此処にある理由は何ぞ」

キルケゴールが思い浮かんだのです。主体的に理由を選び得たのなら真実と呼べるのはいずれにしても多くないはずではなかろうか。
僕は人の目が怖いのです。僕がなにかの主人公であったなら?そのように願いますが、仮にその状態に僕が置かれたとして、ヒイロオだの救世主だのという単語は馴染み浸透し得ない。そんなのってありえないでしょう。おまけに実に恥ずかしいことではないか。照れ笑い。ああ困った。じつに困ったこととなってしまって。

生姜焼きを食べて思ったのです。
ぽろぽろ僕の内側から世界は回って云々、のくだりが絶えず繰り返されました。

世界は回るというけれど、世界はまわるというけれど、世界は……、

光の下へ出るのが恐ろしい。全て見えてしまうでしょう。影が浮き彫りになるでしょう。
しかし人は僕の暗き闇の部分に気づかないでしょう。皆一様に己の精神的統一に必死なものだから、また、当人もそれらの不都合な部分をひた隠しにするので本質を認めるのは難しいでしょう。
でも僕には覆うものなどありませんので支障をきたしてしまうのです。
途中まで良きに思えた僕の歩みは、本来明るみに湧き出なかった醜さ、その本性故に僕は窮地に追いやられるのです。

嘲笑の嵐。ああ、どうにか、楽になりたい。

噛み締める肉の破片の、聞こえますか、君は。痛い痛いと、そう僕に訴えるのです。僕は生命体を殺しながらでしか生きておれない。かつて生きていた生命体の、今は無残な姿(人々はこれをうまそうだといいます)の死肉を食品と、加工し、僕らはそれらをうまいうまいと称して、食して、とにかく生きながらえて行くしかないのだ。何故か。木も花も肉も人間も、全ては、神か? 神の仕業なのか、僕にははかれない。何か、大きなものによって生かされているのか?
嘲笑だ。どうだ、君は、ニィチェのニヒリズムを信ずるか。
皆が皆信じて、その思想を貫き通したなら皆が皆、狂い死んでしまうような気がするのだ。
イスラームでは異種人の排斥を善き行いとして讃えている。もしこれが、神のその掟だとその者たちがそう唱えているならば、たちまちそれはそのものたちにとっての明らかなる真実に成り得る。
争いは止まぬ。何故か知らぬ。僕は知らぬのだ。ただ、各々が各々の思想を守ろうとすると、対立や諍いが起こりがちですものね。絶えず憂いは尽きません。困った。じつに困ったことになってしまって。

神が在ったとして、僕は自ら死ぬことを許されません。
そんなことをしたらすぐに生き戻されちまうだろう、どうかね、君。
生かされる、それこそが罰であり僕らに架せられる罪である。いや、これは格好をつけすぎたようだ。もっと砕けていいはずだ。君は何ぞ、僕は何ぞ、そういう結語に最後は落ち着くのであろう。ああ、寒い寒い。凍えるようだ。此処は酷く冷える。弟がとなりで新聞を畳みながら、ふんふん呑気に歌を唄っている。僕も歌は好きだが、弟に先を越されたのでお唄はやめにしよう。うん、僕は絶対に唄いはしまい。一思いにこの手元の紙袋にふうっと息を吹き込み、膨らませたものをぱちんと両手で潰した上、大きな音などをかまして、ここはひとつ、弟をおどかしてやろう。
うそうそ、冗談ですよ。少し悔しかったのである。だからありもせん冗談を云う。大声でうたってしまう。ストレスなぞ知らぬふり。弟の声を遮るこの行為は、嫌がらせにほかならぬ筈だが、弟は隣の部屋へ黙って去っていったよ。
ああ、これは滑稽ではないか。歌う僕も、本意を隠さず身を引いた弟も。
母さまは人生を謳歌しなさいと五月蝿い。
だってそうじゃないか、君。全てが愉しければいいだなんて、失笑である。君、もうそんな時代は終わったのだよ。人々はだれもちょっとの極楽と幾分の苦悩を舌先でえい、と転がしながら人生を歩んでいかなくちゃならん。
いや、また格好をつけた。すました顔で陳述するには些か大げさだったようだ。
御告げだ、これらも。天子様が人を殺せというのだ。いや、これも嘘だよ、君。君はそんな風にして誰でも彼でもを信じきってしまうたちではないか。気をつけたほうがいい。正直は讃えられるべきだ。しかし、偽りのないまっさらな状態ばかりが最善だとも思えぬ。
ともかくも、人を蹴散らせと天からの御告げがあったなどとはもちろん真っ赤な嘘さ。君、僕にそのような囁きを投じるものは悪魔さ。君の中にもおそらく棲んであるだろう。誰の胸の中にもいるのさ、皆気づかぬふりでやり過ごしているのだよ。

昼餉を済ました佐可は大学へ赴いた。
講堂の端の席にひっそり腰掛けると、前方の座席に座っている友人の伏松が彼を振り向いた。

此処は巣穴だ。同一化を強要する牢獄だ。その場所にこっそりと潜り込んだのに、これではまるで意味がない。
ほら、伏松がこちらを見ている。どうやら卒論を突き返されたらしい。学籍番号4920、近づくな。僕は8112だ。どうせ落ちこぼれさ。
しかし君、秀才というものも半数以上の出来損ないの上に立っての秀才だろう。頭のよしあしも多き人々を蹴落としての集結である。けして忘れてはいかんよ。いや、だけども頭のたりぬを排除させようとする世の風潮にとらわれてはならぬ。このようなことこそイスラームのジハードを実行してはならぬのだ。人を殺すな、愛せ、くだらないと笑ってくれるな。
僕も君もそのことは井の中で生かされているだろう。それこそは全くの事実じゃあないか。

小生の嘆きなどだれも知らぬ。


 

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音楽と芸術と歌といろいろを愛する22さいの人間です。さいきん内面の統一をはかるいみで別名でツイッターやってみたりした。ここはとにかく燃えるごみ出しの日に出しきれなかった愛着あるごみくずたちを丸めてポイするより救いのあることは何かって考えて、それでただならべた

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